2025年問題をご存知でしょうか? 団塊世代が後期高齢者となり、認知症患者数が急増する社会問題です。相続問題や介護問題が深刻化し、多くの家族が頭を悩ませています。
そんな中、注目を集めているのが「家族信託」という制度です。今回は、不動産コンサルタントであり、家族信託の専門家である私が、2025年問題と家族信託の関係について詳しく解説します。
2025年問題とは?
2025年問題とは、2025年頃に団塊世代が75歳前後となり、後期高齢者となることで、日本社会が直面する様々な問題を指します。特に深刻なのが、認知症患者数の急増です。
厚生労働省によると、2025年には認知症患者数が約700万人に達し、65歳以上の高齢者の約5人に1人が認知症になると推計されています。これは、2012年の約460万人から大幅増加となるため、社会全体に大きな影響を与えることが懸念されています。
2025年問題がもたらす課題
2025年問題がもたらす課題は多岐にわたりますが、特に深刻なのが以下の3つです。
相続問題の増加
高齢化に伴い、相続が発生する件数が増加します。しかし、多くの家族は、財産や家族構成、人間関係などが複雑化しており、円満な相続を実現することが難しくなっています。
認知症患者への対応
認知症患者は、判断能力が低下するため、財産管理や介護などが困難になります。家族は、患者の意思を尊重しながら、適切な対応をする必要があります。
介護費用の増加
高齢化に伴い、介護サービスの需要が高まり、介護費用の増加が懸念されています。家族は、限られた財産の中で、適切な介護サービスを選択する必要があります。
家族信託が解決する2025年問題
家族信託は、2025年問題で起こり得る様々な課題を解決する有効な手段として注目されています。家族信託とは、委託者が財産を信託受託者に委託し、受託者が委託者の指示に従って財産を管理・処分する制度です。
具体的には、以下の様なことができます。
認知症になっても、財産を管理・処分できる
認知症になると、本人が財産を管理することが難しくなります。家族信託では、受託者が本人の意思に基づいて財産を管理・処分するため、認知症になっても安心です。
相続トラブルを防ぐ
家族信託では、あらかじめ財産の分配方法を決めておくことができるため、相続時のトラブルを防ぐことができます。
介護費用をスムーズに支払える
家族信託では、介護費用を信託財産から支払うことができるため、スムーズな介護を実現することができます。
家族信託の注意点
家族信託は、非常に便利な制度ですが、以下の点に注意する必要があります。
費用がかかる
家族信託には、信託契約書の作成費用や受託者の報酬などの費用がかかります。
制度が複雑
家族信託は、制度が複雑なため、専門家のサポートが必要となります。
信託受託者を選ぶ必要がある
信託受託者は、信頼できる人物を選ぶ必要があります。
2025年問題は、多くの家族にとって深刻な問題です。家族信託は、2025年問題で起こり得る様々な課題を解決する有効な手段として、今後はますます注目されていくでしょう。
もし、2025年問題対策について不安がある場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。
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