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【知っておくべきガイドライン】人の死と不動産取引:買主・借主は知っておくべきポイント

執筆者の写真: 西川 浩樹西川 浩樹


ガイドライン

こんにちは!不動産コンサルタントの西川です。

今日は、宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドラインについてお話したいと思います。

不動産取引において、過去に取引対象となる物件で人が亡くなったことがある場合、買主や借主にはその事実を告知する必要があるのでしょうか?

この問題は、心理的な抵抗感や倫理的な問題も絡んでくるため、非常にデリケートなものです。

そこで、今回の記事では、宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドラインの内容を分かりやすく解説し、さらに、告知義務の判断基準や、告知時の注意点についても詳しく説明します。


1. ガイドラインの概要

2021年10月に策定された「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」は、人の死に関する事案の告知について、宅地建物取引業者がどのように対応すべきかを定めたものです。

このガイドラインでは、以下の点が主なポイントとして挙げられます。

  • 取引の対象となる物件で過去に人が亡くなった場合、原則として告知義務はない

  • ただし、以下の場合は告知が必要となる

  • 自然死であっても、長期間放置され特殊清掃が行われた場合

  • 他殺、自殺、事故死など、自然死以外の死因の場合

  • 死因が不明な場合

  • 告知義務の判断基準は、死因、発生時期、特殊清掃の有無、社会的影響の大きさなど

  • 告知する場合は、事案の発生時期、場所、死因、特殊清掃の有無などを具体的に伝える

  • 亡くなった方や遺族のプライバシーに配慮し、氏名、年齢、住所、家族構成、具体的な死の状況などは伝えない


2. 告知義務の判断基準

では、具体的にどのような場合に告知が必要となるのでしょうか?

ガイドラインでは、以下の要素を総合的に考慮して判断することが求められています。

  • 死因:自然死か、他殺、自殺、事故死など

  • 発生時期:最近のことか、かなり前のことか

  • 特殊清掃の有無:特殊清掃が必要となるほど凄惨な状況だったか

  • 社会的影響の大きさ:事件性が高く、世間で広く知られている事案か

例えば、以下のようなケースでは告知が必要となる可能性が高いです。

  • 物件内で他殺事件が発生し、それがニュースなどで大きく報道された

  • 物件内で孤独死が発生し、遺体が長期間放置されて腐敗臭がひどかった

  • 物件内で自殺があり、その後特殊清掃が行われた

一方、以下のようなケースでは告知義務は発生しない可能性が高いです。

  • 数年前に入居者が病死し、特に問題なく清掃されている

  • 数十年前に入居者が亡くなったが、死因は自然死で特殊清掃も行っていない

  • ペットが亡くなった


3. 告知時の注意点

告知が必要と判断された場合は、以下の点に注意して行う必要があります。

  • 亡くなった方や遺族のプライバシーに配慮する

  • 事実関係を正確に伝える

  • 推測や憶測に基づいた情報は伝えない

  • 買主や借主の質問には丁寧に答える

  • 必要に応じて専門家の意見を聞き、説明する

人の死に関する事案は非常にデリケートな問題であり、買主や借主にとっても大きな不安材料となります。

宅地建物取引業者は、ガイドラインを遵守し、買主や借主の立場に立って丁寧に説明を行うことが重要です。


宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドラインは、複雑な内容であり、判断に迷うこともあるかもしれません。

しかし、ガイドラインの趣旨を理解し、上記の判断基準や注意点などを参考に、慎重に判断することが大切です。


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